お客様にはお伝えしているので、このブログをご覧いただいている方にはご存知の方も多いと思います。
何からどう書けばいいのか。
何も書かなくてもいいと思ったのですが、今後の活動もここには綴っていくことになりますので、やはり避けては通れないなと思いブログに残します。
2023年12月、突然の知らせ
昨年12月、ジムを運営する会社のオーナーから「話がある」と連絡がありました。
そこで財務状況の悪化により、倒産する旨を聞きました。
※パーソナルジム Bodyke は僕がやっていると思っている方もいらっしゃいますが、運営会社は別です
非情な表現になってしまうかもしれませんが、僕は株主でも社員でもないので、形式的なものを言ってしまえば「外部の人間」です。
だからジム以外の部分も含めた総合的な財務状況は、完全にブラックボックスでした。
その時の感情はあまり思い出せないのですが、テレビの中の話が現実に起こったような、なんかいまいち実感が持てない感覚でした。
僕は運営会社の人間ではないとはいえ、 Bodyke の立ち上げを共にゼロからやってきました。
だから財務状況が良くないことはわかっていましたが、
「あまりにも急」
そんな感覚を持った記憶があります。
当たり前ですが心の準備も何もなく、どんどん物事は進んでいきます。
(悪い方に)
「何をどうしたらいいんだろう・・・」
そんなことを落ち着いて考える暇もなく、実際物事はすごいスピードで進んでいきました。
Bodyke というパーソナルジムは、六本木、池袋、秋葉原、町田、本厚木と5店舗ありました。
「引き継いでくれる人を探してくれないか」
数日後の Zoom で、オーナーからはこのように言われました。
しかし、あまりにも時間がありません。
パーソナルジムには通ってくださっているお客様と、トレーナーのみんながいます。
「このままだとすべての人に、多くの被害が出てしまう」
「一人でも多くの人を救いたい」
センシティブな問題なのでどんな表現が適切なのかわかりませんが、オーナーはそのように考えていました。
・・・そして、僕も同じ気持ちでした。
その時、咄嗟に出た言葉があります。
「僕がやります」
深く考えず、感じてた想いがそのまま口に出た感じでした。
その言葉を聞いたオーナーも「え…」という表情でしたが
「泰ちゃんがやってくれるなら一番いい」
(オーナーからは「泰ちゃん」と呼ばれています)
このように感じてくれたようでした。
Bodyke を始めて約8年。
いろんな事を経験してきました。
ゼロから始めた出店、店舗展開。
様々な事業を作っては、実は多くの事業を潰してきました。
そしてコロナ。
この時も「詰んだ」と感じるほどの打撃で、流石に終わったかと感じました。
しかしそんなコロナもなんとか乗り越え、ここまでやってくることができました。
だから今置かれている状況もなんとかなるだろうと、どこか楽観的に考えていた自分もいたんだと思います。
ですが、そんなに甘くはありませんでした。
あれだけどんなピンチに襲われても、どれだけ満身創痍になっても決して諦めることのなかったオーナー。
最初は「これは盛大なドッキリなのか?」とすら思うこともあったのですが、その決断は本物でした。
自殺行為
「僕がやります」
とは言ったものの、改めて冷静に考えてみると簡単には判断できない問題だなと感じました。
当然ですが「倒産をする」わけですから、財務状況が良いわけではありません。
ただただ引き継ぐとなると、ただの延命で僕も共倒れになってしまうのは明白でした。
しかし、なんとかしたい。
答えの見えない葛藤に、使える時間はあまりありませんでした。
・・・というのも、差し押さえになってしまうからです。
そして僕もこのような状況になり初めて知ることがたくさんあったのですが、例えば「泰蔵がやる」となったとしても、「はい、どうぞ」とはいかないんです。
今回の倒産によって多数の債権者が生まれてしまいました。
その債権者には、債務者であるオーナーが返済をしなければなりません。
その返済には、財産と呼べるものはすべて充てないといけません。
ですから例えば、
泰蔵「僕がやります」
オーナー「はい、どうぞ」
では、「財産があるのに債権者に返済せず、不当に譲渡した」となってしまい、詐欺罪になってしまいかねないとのこと。
だからオーナーとしても「泰蔵に渡したい気持ち」があっても、それぞれのジムがどれだけの資産価値があるのか試算して、正当で合理的な譲渡価格で売却しなければならないとのことでした。
そこでそれぞれのジムの売却価格を試算したところ、、、安くても数百万。
店舗によっては一千万円を超える価格でした。
仮に5店舗すべてとなると、、、、
さらに、美容業界同様パーソナルジムも「前受け」があります。
(お客様が30回券を買って、まだ5回しか消化していない→前受け分25回)
この前受けを計算すると、、、
どこまで見積もるかにもよりますが、数千を超える前受けもありました。
つまり、
- 数千万円でパーソナルジムを買って
- 数千回のセッションを無料でやる
ということになってしまうのです。
ただでさえずいぶんまともに報酬を取っていなかったり立替をしていた事もあり、どう考えてもこれは自殺行為だなと感じました。
「なんとかしたい。でも、なんにもできない。」
この無力さに押しつぶされそうになりながら、なんとか出来ることはないのかと考えました。
「5店舗ではなく、3店舗なら・・・どうだろう・・・」
それでも全然光が見えるわけではありません。
基本的にこういったことは表に発信しないのでそう見えなかったかもですが、この頃はバタバタしすぎててあんまり記憶がないほどいろんな事を考え、いろんな事をやっていました。
そしてこの頃、オーナーを除く Bodyke のトレーナーさん達と、何度か深夜まで MTG をして情報交換やコミュニケーションを取っていました。
「みんなそれぞれ今どんな状況?これからどうする?どうしたい?」
このような話し合いを重ねていくと、トレーナーさん達も同様に債権者でありながら、同じ気持ちでいることがわかりました。
「お客様にサービスを売ってしまった責任は果たしたい」
「だからタダ働きとなってしまってもいいから、引き続きセッションをする」
Bodyke は採用プロセスが鬼のように厳しく、何段階にも関門があるのですが、さすがそれを潜り抜けてきた人たち。
心の底から感動したし、誇らしく感じました。
「給料はもらえない」をわかっている中でセッションをする毎日。
先が全く見えない中、まさに出口の見えないトンネルにの中にいる感覚でした。
どんどん閉ざされていく感覚
これは若干余談ですが、倒産となるとこうなるんだと現実を目の当たりにする瞬間が多々ありました。
例えば店舗運営一つ取っても、様々なツールが使えなくなっていきます。
当然支払いが滞っているわけなので、様々な契約関連が強制ストップするのです。
そして「倒産する」という意思決定をしたとしても、「倒産できない」という事実もありました。
詳しくは割愛しますが
「倒産したくても倒産できない」「ただ負債だけが積み重なっていく」
こんな状況です。
内部的には「倒産を決めていた」としても、法的に「倒産ができない」という状況だと、当然「倒産していない」わけです。
そして弁護士の先生曰く、「今後倒産すること」は表に出してはいけないとのことでした。
だから、倒産するくらい厳しい状況なのに、諸々手続きが進められないから、運営をしなければならない。
さらにパーソナルジム運営のためのシステムも止まっていき、どんどん首が締まっていく。
それが本当に辛い状況でした。
しかし、やはりどこからか情報は漏れるもので、本部には問い合わせが殺到。
僕の SNS にも連絡がきました。
「払ったお金はどうなるんですか?」
「あまりにもひどいじゃないですか」
「返金してください!」
ですがその問い合わせに対しても、「対応はできない」のです。
自分たちも辛い。(実際債権者でもある)
だけど、お客様はもっと辛い。(でも言えない)
だからなんとか頑張ろう!
そんな気持ちの整理がつかないよくわかならい状況でしたが、形のない何かを信じて突き動かされていたんだと思います。
僕自身どの立場でどう言えばいいのか今もわかっていませんが、トレーナーのみんなには頭が上がらないし、今考えても感謝の気持ちでいっぱいです。
今後について
そして多くの関係者さんとの話を進めていく中、ようやく方向性が見えてきました。
実はまだ定まりきってない部分もあるので詳しくは改めて書こうと思っていますが、、、
僕らに出来る形でパーソナルジムを続けていこうと思っています。
そして、「前受けセッションが残っているお客様」に対しては、ご来店いただける方に関してはなんとかすべて受けさせていただこうと思っています。
この件に関して、 Bodyke で使っていたシステムからは何度かご連絡させていただいておりますが、連絡先の変更などにより届いていない方も多くいらっしゃると思います。
もし「前受けセッションが残っている」というお客様がいらっしゃいましたら、下記にご連絡いただけますと幸いです。
※ Bodyke で契約していたシステムが使えなくなってしまったので、今後の店舗運営や今まで配信させていただいていたダイエット情報などもこちらにお引越しさせていただきました。
※ Bodykeとは別会社で別のジムになります。「Bodykeに関するお問い合わせ」はお答えできない状況ですのでご了承ください。
改めてこの度は多大なるご迷惑をおかけしてしまい、申し訳ございませんでした。
正直まだまだ先が見えない状況ではありますが、「一緒にやる」と言ってくれた仲間達もいます。
僕はそんな仲間達を幸せにするため、そして僕らを選んでくださったお客様の健康に貢献するため、これからも頑張っていこうと思います。
世間知らずの未熟者ではございますが、引き続きご指導ご鞭撻を頂戴できますと幸いです。
今後ともよろしくお願いいたします。