「食物繊維をしっかり摂っているのに出ません」
「実は何年も処方された下剤を飲んでいます」
・・・という方は必見です。
短期間だけ数日出ない分には良いかもしれませんが、長年続いてると体には悪影響しかありません。
例えば、、、
- 健康を害してしまう恐れもあります
- 風邪や病気にかかりやすくなってしまいます
- ダイエットをしても痩せなくなってしまいます
実際パーソナルトレーニングジム Bodyke で多くのお客様とお話させていただいていますが、ダイエットにお悩みで便秘体質という方は非常に多いです。
特に女性が多いかと思いますが、もしドキッとしたならこの記事を最後まで読んでください。
この記事では
- 便秘の原因とダイエットへの影響
- 便秘解消方法とおすすめサプリ
について書いています。
慢性便秘なあなたのお役に立てると幸いです。
(ちょっと難しいことも書いてあるので、「いいから早く解消法を知りたい!」という方は飛ばして↓の解消法から読んでください^^;)
この記事のもくじ
便秘の原因とダイエットへの影響
便が出ないとまず辛いですよね。。。それにはしっかり理由があります。
実は便が溜まっている腸は自律神経と大きく関わっているんです。
ですから、気分が上がらないのは当然のこと。
しかし気分やモチベーションの問題だけではありません。
ダイエットを頑張っていても体重が思うように減らなかったり、体型が変わらなかったりします。
食事がいけないのか、、、運動が間違ってるのか、、、色々悩むこともあると思います。
でも実は、あなたのダイエットが上手くいかない原因は便秘の可能性があります。
便秘の原因
便秘の原因はズバリ食事です。
今の食事か、今までの食事かは人によりますが、ほとんどの方が食事が原因で便秘になってしまっています。
具体的には
- 過度なダイエット
- 偏った食事
- 糖質制限
などです。
若い頃にダイエットをして、それから便秘になってしまって食事を増やした今も・・・・なんてことありませんか?
実は体の栄養と腸の栄養(厳密には腸内細菌)は別なんです。
普通に食べているつもりでも腸内細菌にまで栄養が行き届かなくて、善玉菌が減っていってしまい悪玉菌が増えていってしまう。
この結果、腸のぜん動運動が低下したり、腸内の水分量が減ることで便が出にくくなってしまうのです。
少し踏み込んだことを書くと、腸内には1000種類以上の腸内細菌がいて、その数は100兆個で重さにするとなんと1〜2kgもあります。
腸内フローラという言葉を聞いたことがある方もいらっしゃると思いますが、腸内にびっしりいる細菌達がお花畑のように見えることから腸内フローラ(お花畑)と呼ばれている理由です。
腸内細菌は
- 善玉菌
- 種類:ビフィズス菌、乳酸菌など
- 働き:ビタミンを合成、免疫力を高める、短鎖脂肪酸を生成
- 日和見菌
- 種類:大腸菌(無毒株)、腸球菌など
- 働き:善玉菌と悪玉菌の優勢な方の味方をする
- 悪玉菌
- 種類:大腸菌(有毒株)、ブドウ球菌など
- 働き:病気の原因となる有害物質を生成
の3種類に分けられ、理想的なバランスは上から3:6:1です。
しかし偏った食事により善玉菌の栄養が不足したり、ジャンクフードや加工食品ばかりを食べていると、善玉菌が減り悪玉菌が増えて腸内環境が悪化していき、腸内にガスが溜まりおならの匂いも臭くなります。
そして腸内の水分量も減ってしまうことで、便秘特有のコロコロとしたうさぎのウンチのようになってしまうのです。
出典:国立がん研究センター
ですので、便秘のキッカケとなる原因は食事なんですが、食事によって腸内環境が悪化してしまっていることが根本的な原因となってしまっているのです。
便秘とダイエットの関係
便秘の方には「まず便秘解消しましょう!」とお伝えします。
その理由は気分やモチベーションの問題ではありません。
善玉菌がエサを食べてしっかり働くと、短鎖脂肪酸脂肪酸が作られます。
これは腸内のエネルギーとなり、浸透圧が変化し腸内の pH が酸性に傾いていったり、ぜん動運動が活発になります。
すると水分量が増えて便も出やすくなるのです。
この短鎖脂肪酸*というのが大きな鍵なんです。
(*短鎖脂肪酸とは酪酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸などの総称)
短鎖脂肪酸をキャッチする受容体(GPR41,GPR43)が活性化すると
- エネルギー消費の亢進
- インスリン抵抗性改善
- 脂肪蓄積の抑制
などの作用があります。
また、GPR43 は GPR41 と共に GLP-1(グルカゴン・ライク・ペプチド)という腸管ホルモンを分泌を促すのですが、この GLP-1 はインスリン分泌誘導ホルモンで、食欲抑制の働きがあります。
余談ですが、もしかしたら GLP-1 注射という言葉を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
医師が自らを実験台にして打ったという動画を見たことがありますが、食欲が驚くほど落ちるため相当ダイエット効果が高いらしいです。
ご本人いわく我慢や忍耐力との戦いが一切なくなるため、ストレスなくダイエットができるとのことで、また痩せたくなったらやると公言していました。
例えばこういうやつです↓
業界初の「GLP-1ダイエット」遠隔診療対応【東京GLPクリニック】
(我慢なく食事量が減らせることができる…代償として当然筋力は落ちますよねぇ。。。)
話を戻します。
短鎖脂肪酸が産生され GPR41 が刺激されると、さらに PYY(ペプチドYY)というホルモンも分泌されます。
この PYY も食欲抑制としての機能があるんです。
反対に GPR を欠損したマウスでは、GLP-1 や YPP の産生が低下し、耐糖能*が悪化したという研究結果もあります。
(*糖質を使う能力。耐糖能悪化→糖質を上手く使えない、太りやすく痩せにくい低燃費な体)
難しい言葉が並びましたが、要は
- 乱れた食事
- 腸内環境が悪化
- 短鎖脂肪酸が作られない
- 受容体が不活する
- 代謝機能が低下する
- 頑張ってるのに痩せない
ということです。
うーん、、、なんとも負のループですね。。。
詳しく知りたい方は参考資料を御覧ください。
便秘解消方法とおすすめサプリ
便秘が気分だけではなく、ダイエットや免疫にも悪影響があるということがおわかりいただけたところで、ここからが便秘解消するための方法についてです。
絶対にやってほしいことからおすすめのサプリまでご紹介しますので、まずは手軽にできるところから始めてみてください。
そして念頭においていただきたいのは「焦りは禁物」です。
ダイエット同様、腸内環境の整備をするには時間がかかります。
数ヶ月〜年単位で取り組んで、急がず焦らず少しずつ便秘を解消させていきましょう!
便秘解消アプローチその1_食事改善
長年慢性的な便秘に悩まされている方はアプローチその3に飛び級しても良いかと思いますが、まずは食事の改善をしなければ話になりません。
便秘の引き金となってしまったのが食事なのでそりゃそうですよね・・・絶対にお願いします!
ということで、食事の改善鉄則アプローチ3つです。
- 物理的な食事量を増やす
- ダイエットで制限しているのなら、一般的な一人前を食べるようにしましょう
- ご飯(できればお米)を食べる
- 糖質1gあたり3gの水分を一緒に吸収する働きがあるので、炭水化物を恐れずに食べてください
- 水をしっかり飲む
- ↓このくらいを目安に飲むとよいですね
1日に飲む水の量は「2L」ではなく自分に合わせて飲みましょう。
体重:飲む量
↓
45kg:1.5L
50kg:1.6L
55kg:1.8L
60kg:2L
65kg:2.1L
70kg:2.3L
75kg:2.5L
80kg:2.6L
85kg:2.8L
90kg:3L
95kg:3.1L
100kg:3.3L体重÷30=水分量の目安
一気に飲むのではなく小まめに水分補給がポイント。 pic.twitter.com/5Y2Oh3REcY
— たいぞう|100日後に100キロになる男 (@taizo_bm) May 31, 2019
「具体的にどんなバランスでどんな食事を摂ればいいの??」
・・・という方はコチラ↓
また、ガスが溜まりやすかったりお腹が痛くなったり、IBS(過敏性腸症候群)の方は、低 FODMAP(フォドマップ)を意識されるとよいかと思います。
- F:Fermentable→発酵性
- O:Oligosaccharides→オリゴ糖
- D:Disaccharides→二糖類
- M:Monosaccharides→単糖類
- A:And
- P:Polyols→ポリオール
FODMAP は小腸内で消化・吸収されにくい糖類という意味です。
まずは食事改善鉄則アプローチを徹底的に意識してください。
便秘解消アプローチその2_水溶性食物繊維
便秘解消には腸内環境正常化、つまり善玉菌を育てることがカギと書きました。
この善玉菌を含む腸内環境のエサって具体的になんだか知っていますか??
それぞれは下記の通りです。
- 善玉菌→食物繊維、オリゴ糖
- 悪玉菌→タンパク質、脂質
便秘解消のアプローチとして
- プレバイオティクス
- 善玉菌のエサ(食物繊維、オリゴ糖)を摂る
- プロバイオティクス
- 乳酸菌、ビフィズス菌、納豆菌、酪酸菌などの生菌を摂る
- バイオジェニックス
- 腸内フローラを介さず直接腸から吸収させ生体内に作用させる食品成分を摂る
(ちなみに、プレバイオティクス+プロバイオティクス=シンジェニックスと言い、バイオジェニックス+シンジェニックス=シンジェニと言うらしい)
ですので「食物繊維を積極的に摂りましょう!」ということなのですが、ではどのくらい摂ればいいのでしょう?
食物繊維の目安摂取量は30g/日と言われていますが、現代人の食事は欧米化しているので10g/日ほどとなってしまっています。
・・・全然足りていません。ということで、食物繊維が豊富な食材(根菜類、ナッツ類、海藻類、全粒穀物)という話になるのですが、もう一歩踏み込んで考えてみます。
食物繊維は下記2つに分けられます。
- 不溶性食物繊維
- 水分を吸収して便のカサを増す
- 水溶性食物繊維
- 小腸で栄養の吸収速度を緩やかにし、血糖値の上昇を抑える
「どちらも摂ったほうがいいじゃん!」という話なんですが、まさにそうです。
しかし、便秘体質の方は不溶性食物繊維を摂ることで更に悪化してしまうことが少なくありません。
ですので、意識的に摂りたいのは水溶性食物繊維です!
では、水溶性食物繊維が摂れる食べ物って??
・・・となると
- りんご
- ひじき
- 干し柿
- わかめ
- オクラ
- もずく
- アボカド
- なめこ
- 納豆
- インゲン
となるのですが、水溶性食物繊維を意識的に摂ろうとすると、もれなく不溶性食物繊維も摂ってしまい、なんなら不溶性食物繊維の方を多く摂取してしまいます。
出典:文部科学省 日本食品標準成分表2015年版(七訂)
ですので、水溶性食物繊維を単体で摂る方が効果的です。
分子的には「難消化性デキストリン」>「イヌリン」となるので、イヌリンの方が良いでしょう。
毎食5〜10g 摂ってみてください。
水溶性なので水に溶けますから水に入れて飲んだり、ほぼ無味なのでスープや味噌汁に入れても OK です。
便秘解消アプローチその3_オリゴ糖
・・・がしかしです。
先程も書いたように、食物繊維の分子サイズでは効果が出ない(むしろ悪化)という方が多くいます。
そんな方は、善玉菌のもう一つのエサとなるオリゴ糖を摂ることが便秘解消へのアプローチとなります。
だからと言って、スーパーで売ってるシロップを買うのは注意が必要です。
こういうのダイエット食品でよくありますが、「入ってる」だけで割合としては「はい??」ってものが多いんです・・・
シロップ系だと6~8割が砂糖だったりするので、オリゴ糖を摂っているつもりが砂糖を大量に摂ってしまうことになります。
・・・で、口コミや成分などを色々見てみたのですが、こちらが一番おすすめです。
(もちろん腸内細菌との相性があるので、人により合う合わないなどあるかと思います)
こちらの商品、実際に↓この書籍でも「最初は乗り気じゃなかったけど、スタッフ数名が試したらあまりに反応がよく、取り扱うことにしたら大好評」と書いてありました。
オリゴ糖は20種類以上もあるので、この商品のように
- ラフィノース
- ミルクオリゴ糖
- フラクトオリゴ糖
- イソマルトオリゴ糖
とできるだけ複数含まれているものの方が良いですね!
飲み方は
- 毎食5gずつ
- 毎食10gずつ
- 毎食15gずつ
など、体の反応を見ながら試してみてください。
(もちろん少ない量から)
オリゴ糖が大腸まで届き、善玉菌のエサとなってくれれば少しずつ腸内環境が改善され、短鎖脂肪酸が作られていきます。
すると
- 水分量が増えぜん動運動が起こり、便秘解消に繋がる
- 免疫力も上がり、風邪やウイルスに負けにくくなる
- 代謝や食欲が安定し、ダイエット効果が出てくる
と、好循環サイクルに入っていきます。
繰り返しになりますが、急がず焦らず、少しずつ善玉菌を育てていってくださいね^^
便秘解消まとめ
いかがでしたでしょうか?
この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。
昔は「食物繊維摂ってればいいんじゃない」くらいに思っていましたが、知れば知るほど奥深くて驚きました。
・・・考えてみれば、食物繊維で解消出来る人なら悩み相談になりませんよね^^;
ちなみに下剤(酸化マグネシウム)は、正直あまりおすすめできません。
どうしても一週間近く出なそうな場合は仕方ないと思います、、、が、そういう時以外は使用しないで便秘解消するために取り組んでいきましょう。
(塩化マグネシウムならまだ良いですが、それでもやはりオリゴ糖の方がおすすめです)
ということで、改めてまとめます。
- 物理的な食事量を増やす
- ご飯(できればお米)を食べる
- 水をしっかり飲む
この3つをしっかり意識して、それでも解消できなそうなら
- 水溶性食物繊維(イヌリン)
- オリゴ糖
を摂るようにしてみてください。
あなたの便秘が解消され、快適な毎日が送れますように^^