先日こんなコメントをいただきました。
パーソナルはじめて5年目になります。
極端な食事制限(糖質制限)からLowT3症候群となり、食事を戻した今もなかなか改善しません。
「Low T3 症候群」聞き慣れない言葉だと思います。
僕自身調べていて色々知ることができたので、自分のインプットの意味も込めてブログに残します。
過度な糖質制限や食事制限をしている方、特に女性は見て欲しい内容です。
そして、ダイエットをしていて今の食事に疑問を感じているのなら、是非最後まで読んでください。
この記事のもくじ
LowT3症候群とは
LowT3症候群(低T3症候群、Low T3 Syndrome とも言う)とは、甲状腺に異常がないのに甲状腺ホルモン値異常になっている状態。
甲状腺ホルモンの T4(テトラヨードサイロニン)から活性型 T3(トリヨードサイロニン)に変換することで甲状腺ホルモンの作用が働くが、末梢でブロックされ無活性のrT3(リバースT3) に変換されて十分に機能できません。
飢餓状態や重篤消耗性疾患患者などでは、甲状腺機能が正常であっても血清中の T3 濃度が低下していて、さらに重篤な状態では T3 のみならず T4 濃度も低下してしまいます。
- 血中の T3 が低下した状態:LowT3症候群
- 血中の T4 が低下した状態:LowT4症候群
※ケガや病気からの回復のために、あるいは食事を摂取できなくてエネルギー不足になった場合に、生体のエネルギー消費を極力少なくすることを目的とした理にかなった自然な反応
甲状腺とは
甲状腺(こうじょうせん)は、喉仏(のどぼとけ)のすぐ下にあり、縦が4cmほどで重さは20g以下の蝶が羽を広げたような形をしていて、食べ物(主に海藻)に含まれているヨウ素を材料にして甲状腺ホルモンを作っています。
甲状腺の働き
摂取された「タンパク質」「脂質」「炭水化物」は代謝され、体の組織を作る材料や、体を動かすエネルギー源として利用される。
甲状腺ホルモンはこの新陳代謝の過程を刺激し促進してます。
甲状腺ホルモンには4つのヨウ素を持つ T4(テトラヨードサイロニン)と、3つのヨウ素を持つ T3(トリヨードサイロニン)の2種類があります。
甲状腺より分泌される甲状腺ホルモンは主に T4 で、血中に分泌された T4 の大部分は、肝臓・腎臓などの末梢組織で T3 に代謝されます。
肝臓などで「脱ヨード反応」という T4 から T3 に転換され、T3 は標的細胞内にある T3受容体(T3 receptor)に結合し、特定の蛋白合成を介して、甲状腺ホルモン作用を発揮。
すなわち、生体で甲状腺ホルモン作用を発揮する活性なホルモンは T3 であり、この意味で T4 は T3 のプロホルモンと言って良いでしょう。
そして体内では、血液中の甲状腺ホルモンが常にほぼ一定の値を維持できるような仕組みが働いていて、このコントロールを脳下垂体から分泌される TSH(甲状腺刺激ホルモン)が担っています。
TSH は甲状腺を刺激し、甲状腺ホルモン(T4,T3)の分泌を促し
- 血液中の T4,T3 が多くなりすぎると、下垂体から TSH の分泌が抑えられ、T4,T3 も減少
- 反対に血液中の T4,T3 が低くなると、TSH の分泌が増え T4,T3 が減少
という働きをしています。
こうした仕組みを「フィードバック機構」と言い、血液中の T4,T3 の量を常に一定の範囲を維持できるように調節されているのです。
甲状腺3つの病気
1,甲状腺機能異常
1-1甲状腺の機能が更新して、ホルモンの分泌が過剰→甲状腺機能亢進症
・バセドウ病(*自己免疫疾患が原因)
1-2甲状腺ホルモンの分泌が低下し不足する→甲状腺機能低下症
・橋本病(*自己免疫疾患が原因)
2,甲状腺の炎症
2-1急性化膿性甲状腺炎、、、細菌感染
2-2亜急性甲状腺炎、、、原因不明(ウイルス?)
2-3橋本病
3,甲状腺腫瘍
8~9割は特に治療の必要がないとのこと
自己免疫疾患とは
本来、体に入り込んだ異物に対して起こるべき免疫反応が、正常な自己の細胞を異物とみなして免疫反応を起こす病気。
(自分自身の健康な細胞に対しても攻撃、患者の80%が女性)
原因は不明。
治療法は多くの場合は抗炎症薬、免疫抑制薬、生物学的薬剤などとなり、自然な方法では、糖や飽和脂肪酸などの炎症を起こしやすい食べ物を減らすこと。
LowT3症候群の症状
- 代謝低下
- 冷え
- だるさ
- 疲れやすい
- 便秘など
LowT3症候群の原因
- ストレス
- トラウマ
- 低カロリー
- 炎症
- 有毒物質
- 感染症
- 薬物
- 肝臓・腎臓の機能障害
LowT3症候群には、こんな人がなりやすい
圧倒的に痩せ型の女性がなりやすいとのこと。
筋肉量が多いと筋肉から「アラニン」の放出量が増え、アラニンは血液に入ることで肝臓に運ばれて糖新生に利用される(グルコース・アラニン回路)のですが、筋肉量が少ないと糖新生が上手くできないのです。
(グルコース・アラニン回路:飢餓時に働いて血糖値を正常に保つ役割)
だから痩せ型の女性が多いんですね。
一般的には太っていない、、、むしろ痩せているのにダイエットをしている人は要注意です!
糖新生とは
タンパク質(アミノ酸)や脂質(グリセロール)といった糖質以外の物質から糖質(グルコース)を作ること
Low T3 症候群 〜まとめ〜
調べてみると色々見えてくるものがあり、僕自身大変勉強になりました。
LowT3 症候群は、摂取カロリーが異常に少ない場合も生命活動を維持できるよう、カロリー消費を極限まで下げた生存本能ということですが、ダイエット目的で実施した食事により起こってはいけない症状に間違いありません。
なってしまったときの対処法としては
- だるい
- 冷える
- 足が攣る
などの状態になったら、それが消えるまで糖質摂取量を増やしていく、、、とのことでしたが、僕は医療従事者ではないのでお医者様の指示を仰いでください。
そして結論としてはいつも通り「食べて動いて健康的に痩せましょう」となるのですが、過度な糖質制限や食事制限により「痩せられない」「太りやすくなってしまう」だけではなく、こんな代償も起こってしまうんだと、改めて食事の、そして食べることの大切さと重要性を認識しました。
LowT3 症候群には痩せ型の女性がなりやすいとのことですが、僕自身 Bodyke で多くの方のカウンセリングをさせていただいてきて
「この人、これ以上痩せないほうが良いのでは・・・」
なんて感じていても、ご本人は「痩せたい!」「お腹の肉が!」「●kgになりたい!」と言われることも少なくありません。
僕が直感的に感じるものが全て正しいとは言いませんが、理想の体を作ることではなく、理想の体重になることを目標とされている方が多いことに、将来の体型や健康状態、そして QOL まで、悪影響になってしまうのではないかと危惧してしまいます。
ちなみに、もちろんそのように感じた場合は、体重を落とすことを勧めることはなく、適量を食べて適度に動いた結果体重が増えるが、むしろキレイな体になれる話を理屈を交えて切り出すのですが、受け入れてもらえず去っていってしまう方も一定数いらっしゃいます。
今回ご紹介したものは1つの例ですが、実際に起こりうることです。
食事を軽く考えてしまったことにより、取り返しのつかないことになってしまう可能性もあるということ、知っていただけると幸いです。
ダイエットはファッションではなく、人生そのものです。
ちょっと無理してでもすぐに痩せたい気持ちは痛いほどよくわかりますが、やはり極端なやり方はよくありません。
- キレイになるためにも
- 健康であるためにも
- 未来の自分や家族のためにも
しっかり食べて適度に体を動かして「三歩進んで二歩下がる」でいいので、楽しみながら少しずつ体を引き締めていきましょう。
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